親バカでいい 第13話
14、「親の子どもの頃の夢を子どもに話してみる」 先日、子どもたちを連れて、僕が小学生高学年の頃に学校から帰ってくると毎日のように通った洗足池のグランドに行きました。そして、「パパはその頃、ひたすら長嶋茂雄さんのようなプロ野球選手を夢見て、毎日のようにここで野球をやっていたんだ」と話しました。ただ僕が子どもたちに自分の子どもの頃の夢を話すのはしょっちゅうあることなので、子どもたちは、パパがプロ野球選手になりたかったという話に関しては大して食いついてはきませんでしたが、実際に父親が毎日のように通ったグランドを目の当たりにしての説得力にはある種の感動があったようです。 そのとき、僕は11歳の僕がグランドで白球を追う姿、バットを振る姿、5つ違いの兄からノックを受ける姿などをそのグランドの中に蘇えらせていました。 昔、田園コロシアムという競技場がありました。テニスの公式大会などが行なわれていた場所で、プロレスの興行も行なわれていました。そこに小学3年生のときにお袋におにぎりを握ってもらって一人でジャイアント馬場さんの試合を見に行きました。当時の将来の夢がプロレスラーになることだったからです。その田園コロシアムは今はもう存在しませんが、近くを通ると必ずあのときの自分が蘇ってきます。 トロンボーンを見ると今も小学2年生に戻ります。その頃の夢はトロンボーン吹きになることでした。同様に、ローラースケートを見ると、小学4年生の頃にアメリカからそのブームが入ってきたローラーゲームにハマり、一瞬、ローラーゲームの選手になることを夢見た僕でした。 そして、中学3年生の時に猛然とエルヴィスになりたいと思い、ひたすらエルヴィスを追い求めて45年。僕は思うんです。例え夢が叶わなくても、夢を持つことは素晴らしいことだと。生きる上で一番辛いことは目標を見失うことです。自分が子どもの頃にどんな夢を持っていたか、何になりたいと思っていたかなどをぜひ今夜にでもお子さんに話してみてはいかがでしょうか?僕自身の経験からもそれを聞いた子どもは間違いなく、健やかに育つと僕は確信しています。