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親バカでいい 第23話

24、「車道側を歩かせない」 中学3年の時に僕はテレビでエルヴィスの映画を見てファンになったのですが、その時の映画『フロリダ万才』の〈スイムで行こう〉を歌うシーンで、最後にエルヴィスが共演女優のシェリー・フェブレーと砂山に倒れ込むのですが、その時、エルヴィスは自分が先に下になって倒れ込んだんです。 このシェリー・フェブレーという女優さんが当時僕が片想いしていた女の子に似ていたものですから、このエルヴィスの優しさは15歳の僕にはまさに衝撃でした。それもさりげなくやる、これが実にカッコよかったのです。 当時、買ったエルヴィスの伝記本は彼のように生きようと誓った僕にとってはまさにバイブルでした。そのバイブルに映画とは関係ない私生活の部分でも彼が女性や子ども、お年寄りに対して優しい人間だと知って、これは男の美学のひとつとして徹底しようと心に決めたのでした。 女性に対して奥手だった僕が生まれて初めてデートしたのは19歳の時でした。そのデートの時、狭い道幅にもかかわらず、車の行き来が結構ある通りで、僕は意識して車道側を歩きました。するとその彼女は、「諸川君は優しいのね」と。 あれから40年。僕は今も必ず自分が車道側を歩きます。嫁さんと一緒の時も、娘と一緒の時も、息子と一緒の時も。自分より立場が弱い人間と一緒の時は、その弱い立場の人間には絶対に車道側を歩かせないという自分の美学を徹底しています。こういったことを先ずは徹底することで、子どもを守らなければならない親の美学はどんどん膨らんでいくかと思われます。 

ビリー諸川


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